· 薬剤師たけすた · 健康  · 17 min read

食物繊維が豊富な食材TOP10|薬剤師の選び方基準と1日の摂り方

食物繊維は1日20g以上が目安。でもどの食材を選んで、どう組み合わせればいいのか分かりにくい。薬剤師が選ぶ食材TOP10と、毎日無理なく摂る方法を解説します。

食物繊維は腸活の基本であり、腸内細菌のエサになる栄養素です。

厚生労働省の目標摂取量は女性18g/日・男性21g/日(2020年版食事摂取基準)ですが、日本人の平均摂取量は約14g前後と言われており、多くの方が不足しています。

「どの食材を、どれくらい食べれば届くのか」——今回はその疑問に答えます。

水溶性食物繊維と不溶性食物繊維、なぜ両方必要か

食物繊維には大きく「水溶性」と「不溶性」の2種類があります。この2つはそれぞれ異なる働きをするため、どちらかだけ摂ればよいというものではありません。

水溶性食物繊維(β-グルカン・イヌリン・ペクチン等)の主な働き:

  • 腸内の善玉菌のエサになり、腸内細菌叢の改善に役立つ可能性があります
  • 水分を吸収してゲル状になり、便を柔らかくする効果が期待できます
  • 食後の血糖値上昇をゆるやかにする可能性があると報告されています

不溶性食物繊維(セルロース・ヘミセルロース等)の主な働き:

  • 便のかさを増やし、排便をスムーズにする効果が期待できます
  • 腸のぜん動運動を刺激して促進する可能性があります

理想の比率の目安:水溶性:不溶性 ≒ 1:2

ただし、不溶性食物繊維だけを大量に摂取すると、便が硬くなって便秘が悪化するケースがあります。必ず十分な水分と合わせて摂ることが重要です。

「どちらが大切か」ではなく、両方をバランスよく摂ることが腸活の基本といえます。

食物繊維豊富な食材TOP10(薬剤師の選定基準)

以下の基準で食材を選定しました。

  • 食物繊維量(100gあたりのグラム数、文部科学省 食品成分表参考値)
  • 水溶性・不溶性のバランス(どちらかに偏っていないか)
  • 手に入れやすさ・続けやすさ(日常的にスーパーで購入できるか)
  • 他の栄養素との相乗効果(ビタミン・ミネラル・発酵食品効果など)

1. もち麦(大麦)

  • 食物繊維量: 約10g/100g(乾燥時)、炊いた状態では約3g/100g
  • 水溶性食物繊維「β-グルカン」が豊富に含まれており、腸内細菌叢に好影響を与える可能性が複数の研究で報告されています
  • 白米に混ぜて炊くだけで手軽に食物繊維を増やせます(白米の3割をもち麦にする方法が使いやすいです)
  • 私の場合、毎日昼・夜のごはんにもち麦を混ぜて炊いており、これが食物繊維摂取のメインになっています
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※本記事はアフィリエイトリンクを含みます。商品紹介は薬剤師としての個人的見解であり、効果・効能を保証するものではありません。 既往症・服薬中の方は必ず主治医・薬剤師にご相談ください。

2. ごぼう

  • 食物繊維量: 約5.7g/100g(不溶性多め)
  • イヌリン(水溶性)とセルロース(不溶性)の両方を含むバランスの取れた食材です
  • きんぴらごぼうやごぼうサラダなど、日常的な料理に取り入れやすいのが特徴です
  • 腸内の善玉菌を増やす効果が期待できる可能性があります

3. さつまいも

  • 食物繊維量: 約2.3g/100g
  • 水溶性のペクチンと不溶性のセルロースのバランスが良い食材です
  • 蒸す・焼くだけで食べられ、調理の手間が少ないのが腸活食材として人気の理由のひとつです
  • 腸内環境の改善に役立つ可能性があると言われています

4. アボカド

  • 食物繊維量: 約5.3g/100g
  • 水溶性・不溶性のバランスが良く、果物の中でも食物繊維が豊富な部類に入ります
  • オレイン酸も豊富で、腸壁の健康維持に関係する可能性があります
  • そのまま食べるだけでなく、サラダや和え物にも活用しやすい食材です

5. ブロッコリー

  • 食物繊維量: 約4.4g/100g
  • スルフォラファン(ファイトケミカル)も含まれており、腸内環境以外にも様々な働きが研究されています
  • 茹でたり電子レンジで加熱しても食物繊維はほぼ損なわれないため、調理の方法を選びません
  • 副菜やサラダに加えやすく、毎日取り入れやすい食材です

6. キウイフルーツ

  • 食物繊維量: 約2.5g/100g
  • 水溶性のペクチンが豊富で、便を柔らかくする効果が期待できると言われています
  • ビタミンCも豊富に含まれており、腸内環境以外の健康維持にも役立つ可能性があります
  • 食後のデザートとして毎日取り入れやすいのが利点です

7. 納豆

  • 食物繊維量: 約6.7g/100g
  • 発酵食品でもあるため、プロバイオティクス(善玉菌そのもの)と食物繊維の二重の効果が期待できる可能性があります
  • 1パック(40〜50g)で手軽に摂れるため、毎日の習慣として取り入れやすい食材です
  • 腸内環境改善の観点から、食物繊維の中でも特に取り入れやすい食材のひとつと考えています

8. ひじき(乾燥)

  • 食物繊維量: 約51.8g/100g(乾燥)/ 戻した状態で約3.7g/100g
  • 水溶性のアルギン酸が豊富に含まれています
  • 乾燥状態での食物繊維量は非常に多く、少量でも食物繊維を効率よく摂れます
  • 鉄分も豊富に含まれていますが、煮炊きに手間がかかるため、まとめて作り置きするのがおすすめです

9. きのこ類(しいたけ・えのき等)

  • 食物繊維量: えのきたけ約3.9g/100g、しいたけ約3.5g/100g
  • β-グルカンが含まれており、免疫機能との関連が研究されています
  • 炒め物・汁物・鍋料理など幅広い料理に加えやすく、継続しやすい食材です
  • 低カロリーで量を増やしやすいのも、食物繊維源として優れている点です

10. 豆類(大豆・いんげん豆等)

  • 食物繊維量: 大豆(乾燥)約17.9g/100g、水煮の場合約6.8g/100g
  • 水溶性・不溶性の食物繊維を両方含む優れた食材です
  • 豆腐・納豆・みそなど大豆製品として毎日取り入れやすく、腸活の基本食材のひとつです
  • タンパク質も豊富なため、食物繊維と同時にタンパク質も補える点も魅力です

食物繊維の1日目安量の達成例(組み合わせ方)

1日20g以上を達成するためのモデル食事例を示します。以下は薬剤師たけすたが実際に実践している方法です(「私の場合」として参考にしてください)。

食事食材の組み合わせ食物繊維の目安
ヨーグルト + イヌリン7g + 納豆約8〜9g
もち麦ごはん(3割)+ 野菜多めの副菜約6〜7g
もち麦ごはん(3割)+ きのこ/ひじき + 豆類約7〜8g
1日合計約21〜24g

※個人差・食品の種類や調理方法によってバラつきがあります。あくまでも参考値としてご覧ください。

朝はイヌリンを溶かしたヨーグルトと納豆で水溶性食物繊維をしっかり摂り、昼・夜はもち麦ごはんで着実に積み上げるというのが、私が実践している基本的な構成です。

摂るときに気をつけること

食物繊維は健康に良い栄養素ですが、摂り方を誤ると逆効果になることがあります。以下の点に注意してください。

水分と一緒に摂ること

特に不溶性食物繊維は、水分なしで摂ると便が硬くなり、便秘が悪化する可能性があります。食物繊維を増やすタイミングで、水分摂取量も意識して増やすことが大切です。

急に増やさない

特に水溶性食物繊維を急激に増やすと、腸内での発酵が活発になりすぎてガスが増え、お腹の張りが出ることがあります。少しずつ増やして腸を慣らすことが基本です。

腸の状態に応じて量を調整する

腸内細菌の異常増殖(SIBOなど)が疑われる場合、食物繊維を急激に増やすと症状が悪化することがあると言われています。消化器系の不調が続いている場合は、自己判断で増やすのではなく、医師に相談されることをおすすめします。

よくある質問

サキさん サキさん

野菜ジュースでも食物繊維は摂れますか?

薬剤師たけすた 薬剤師たけすた

市販の野菜ジュースは、製造過程で食物繊維の多くが取り除かれていることが多いです。「野菜を摂った気分」にはなれるかもしれませんが、食物繊維量としてはほとんど期待できない場合があります。

購入する前にラベルの「食物繊維量」を確認してみてください。数値が低い(または記載がない)製品は、ほぼ食物繊維が含まれていないと考えた方がよいでしょう。

生野菜や調理した野菜をそのまま食べる方が、確実に食物繊維を摂取できます。ジュースはあくまで「ビタミン補給の補助」として活用するのが現実的な使い方だと思います。

ケンジさん ケンジさん

もち麦を食べ始めたらお腹が張るようになりました。やめた方がいいですか?

薬剤師たけすた 薬剤師たけすた

もち麦に含まれるβ-グルカンは大腸で発酵しやすいため、急に量を増やすとガスが増えてお腹の張りが出ることがあります。これは多くの場合、腸が慣れていないことが原因です。

「やめる」よりも、「量を減らして慣らす」ことをおすすめします。白米の2割から始めて、1〜2週間かけて3割・4割と少しずつ増やしていく方が、腸への負担が少なくなります。

不調が続くようであれば、無理に続けず、医師や薬剤師に相談してください。腸の状態によっては、別の原因が関係している可能性もあります。

サキさん サキさん

サプリメントで食物繊維を補うのと、食材から摂るのとどちらが良いですか?

薬剤師たけすた 薬剤師たけすた

理想は食材から摂ることです。食材には食物繊維以外にも各種ミネラル・ビタミン・ファイトケミカルが含まれており、複合的な相乗効果が期待できる可能性があります。

ただし、「毎日の食事だけで20g以上を達成するのが難しい」という場合は、サプリメント(サンファイバー・イヌリン等)で補うことも十分合理的な選択だと考えています。

私自身の考えは、「食材からの摂取が理想、サプリメントは補助」という位置づけです。食事が整っているならサプリは不要ですが、食事だけで目標量に届かないなら、上手に活用してよいと思います。

まとめ

  • 食物繊維の目標摂取量は女性18g以上・男性21g以上(厚生労働省 2020年版食事摂取基準)
  • 水溶性と不溶性を1:2のバランスで摂ることが理想ですが、まず総量を確保することが先決です
  • もち麦ごはんへの切り替えが、コスパ・続けやすさともに最も優れた方法のひとつです
  • 不溶性食物繊維を急に増やすと便秘が悪化する可能性があります——水分と一緒に、ゆっくり増やしましょう
  • 食材から摂ることが理想です。足りない分をサプリメントで補うという考え方も十分合理的です
  • お腹の張りや不調が続く場合は量を減らし、改善しない場合は医師に相談してください

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