· 薬剤師たけすた · 健康 · 25 min read
発酵食品5選|薬剤師が続けやすさで整理・10年腸活の本音
ヨーグルト・納豆・味噌・キムチ・ぬか漬け——どれも腸に良さそうで選びきれない。10年腸活を続けてきた薬剤師が、続けやすさで5つに整理しました。

スーパーの発酵食品コーナーで、手が止まったことはありませんか。
ヨーグルト・納豆・味噌・キムチ・ぬか漬け——どれも腸に良さそう。でも結局どれを買えば一番効率がいいのか、いまひとつ判断がつかない。「とりあえずヨーグルトでいいか」と毎回同じものを買って、なんとなく腸活した気になっている。
サキさん発酵食品って結局どれが一番いいんですか?種類が多すぎて選びきれなくて。
薬剤師たけすたどれも良い所があります。そのうえで、性質の違うものを少しずつ組み合わせるのが、10年続けてたどり着いた答えです。
10年間、薬剤師として腸活を続けてきました。
スーパーで手に入り、続けやすい発酵食品を5つに整理しました。先に正直に言っておくと、5つのうちぬか漬けは、私自身もたまに食べる程度で、毎日は続けられていません。続けられない発酵食品をどう扱うかも含めて、本音で書きます。
腸活で発酵食品が注目される3つの理由
発酵食品とは、菌の力で食材を分解・変化させた食べ物のことです。納豆菌・乳酸菌(Lactobacillus属など)・酵母などの微生物が、大豆や乳・野菜を「食べやすく」「保存がきくように」「うま味が増すように」変えてくれます。
腸活の文脈で発酵食品が良いとされる理由は3つです。
- 生きた菌が腸に届く可能性がある
- 菌の死骸も腸内細菌のエサになると考えられている
- 発酵で生まれる有機酸(酢酸・乳酸など)を一緒にとれる
ここで知っておいてほしいのは、今日1回食べただけで腸内の菌のバランス(腸内フローラ)が大きく変わるわけではないということです。毎日少量を続けることが何より大事です。
発酵食品はあくまで「食べ物」であって薬ではありません。
薬剤師たけすた「効く」ものとしてではなく、「毎日の食事の土台」として捉える。これが、私が10年やってきての結論です。
スーパーでそろう発酵食品5選
筆者の優先度と続けやすさ(手に入りやすさと手間)を ◎◯△ で添えました。
| 発酵食品 | 筆者の優先度 | 続けやすさ | 取り入れやすい形 |
|---|---|---|---|
| 納豆 | ◎ | ◎ | ごはんにのせて1パック |
| 味噌(味噌汁) | ◎ | ◎ | 味噌汁1杯 |
| ヨーグルト | ◯ | ◎ | 無糖を小鉢1杯 |
| キムチ | ◯ | ◯ | 副菜に少し |
| ぬか漬け | ◯ | △ | 市販品をたまに |
1. 納豆|優先度◎・続けやすさ◎
大豆を枯草菌(納豆菌)で発酵させた、日本の代表的な発酵食品です。納豆菌は胃酸に比較的強く、生きたまま腸に届きやすい部類とされています。
薬剤師たけすた私が5選の筆頭に納豆を置いているのは、日本人の腸には日本由来のものが合うと現場で感じているからです。薬局で「腸にいいもの教えてください」と聞かれたら、まず納豆を挙げています。私自身も、納豆は毎日食べています。
含まれる成分も豊富です。大豆由来のたんぱく質・イソフラボン、ビタミンK2、納豆に含まれる酵素(ナットウキナーゼ)など。
選び方は好みで構いません。たれは使う量を自分で調整できるので、塩分が気になる方はたれを控えめにするのも一つの方法です。原材料表示も一度見てみてください。
注意:大豆アレルギーがある方は、納豆と味噌についてかかりつけ医にご相談ください。
注意:ワルファリン(血液を固まりにくくする薬)を飲んでいる方は、納豆のビタミンK2が薬のはたらきを弱めるため、納豆を控えるよう指示されるのが一般的です。主治医・薬剤師の指示に従ってください。
2. 味噌|優先度◎・続けやすさ◎
大豆を麹(こうじ)と乳酸菌・酵母で発酵させた味噌は、納豆と並ぶ日本の伝統発酵食品です。麹由来の酵素、発酵で生まれたアミノ酸、乳酸菌など、含まれる成分は多彩です。
味噌汁の良さは「具で食物繊維が一緒に摂れる」こと。わかめ・豆腐・きのこ・もち麦——具を1つ足すだけで、食物繊維も一緒に摂れます。私は味噌汁も毎日飲んでいます。
選び方のポイントは「加熱殺菌なし」「生味噌」と書かれたもの。菌が生きている可能性が高めです。ただし安価な大量流通品でも、発酵で生まれたアミノ酸や有機酸は変わらず摂れます。続けやすさを優先して構いません。
薬剤師たけすた熱湯に味噌を直接溶かすと菌が弱りやすいので、火を止めてから溶くのが手軽な工夫です。とはいえ、おいしく毎日続くことの方が温度管理より大事です。
3. ヨーグルト|優先度◯・続けやすさ◎
牛乳を乳酸菌・ビフィズス菌(Bifidobacterium属)で発酵させたもの。最も入手しやすい発酵食品です。
薬剤師たけすたヨーグルトは「発酵食品の入り口」としては手軽ですが、これ1つで腸活が完結するわけではありません。外から摂った菌の多くは、腸に長くとどまらず、摂るのをやめると時間とともに減っていくと考えられています。食物繊維のある食べ物と組み合わせるのがおすすめです。
選び方のポイントは菌の種類が明記されているもの(L. ガセリ菌・B. ロングムなど)。加糖より無糖を優先し、甘さが欲しい時ははちみつや果物で補います。腸内の菌は多様な方が良いと考えられているので、たまに菌の種類を変えてみるのも一つの方法です。
注意:牛乳アレルギーがある方はヨーグルトを避け、かかりつけ医にご相談ください。
乳糖不耐症の方へ:発酵で乳糖がある程度分解されるため、ヨーグルトは比較的食べやすい人が多いとされます。ただし個人差があるので少量から試してください。
4. キムチ|優先度◯・続けやすさ◯
唐辛子・野菜・魚醤などを乳酸発酵させた韓国の発酵食品です。乳酸菌と、発酵で生まれた有機酸が特徴です。
選び方のポイントは「生キムチ」表記のもの。市販品には、発酵させずに味付けした浅漬けタイプもあります。原材料に「発酵」の文字があるかを見るのが目安です。迷ったら続けやすさを優先して構いません。
注意:唐辛子の刺激が胃に負担になる方は少量から。空腹時の摂取は避けた方が無難です。
注意:味噌汁やキムチは塩分を含みます。高血圧や腎臓病などで塩分を控えるよう言われている方は、量を主治医の指示に合わせてください。
注意:キムチには魚醤や塩辛など魚介を使ったものがあります。魚介アレルギーがある方は原材料表示を確かめてください。
5. ぬか漬け|優先度◯・続けやすさ△
野菜を米ぬかに漬けて乳酸菌で発酵させたもの。乳酸菌が主体の発酵食品で、野菜の食物繊維と一緒に摂れるのが利点です。
ぬか漬けについては言いたいことがあるので、独立した章で本音を書きます。
正直に告白|ぬか漬けは、私も続いていません
ここからが、この記事で最も書きたかった話です。

薬剤師たけすた正直に言います。5選に入れているぬか漬けですが、私は毎日は続けられていません。食べるのはたまに程度です。
ぬか床は毎日かき混ぜる手入れが要るので、手作りで毎日続けるのは手間のかかる食べ物です。
ぬか漬けが腸活の食べ物としてよく挙げられることは知っています。乳酸菌が豊富で、野菜の食物繊維も一緒に摂れる。理屈の上では文句のつけようがありません。
ただ、続かないものは続かない。これは私自身の正直な実感です。
ぬか漬けの主役は乳酸菌
ネット記事で「ぬか漬けは酪酸菌が豊富」と紹介されることもあります。ただ、ぬか漬けの発酵の主役は乳酸菌です。ぬか漬けは、野菜と一緒に乳酸菌を摂れる食べ物として考えるのが自然です。
私自身がしていること
私自身は、整腸剤のビオスリー Hi 錠(糖化菌・乳酸菌・酪酸菌の3種類の菌が入った指定医薬部外品)を10年ほど飲んでいます。これは私個人の習慣で、おすすめするものではありません。整腸剤を使う時は製品の表示の用法・用量を守り、1か月くらい使っても調子が変わらない時は使うのをやめて、医師か薬剤師に相談してください。
薬剤師たけすた「全部食事で完璧にやろう」とすると、続かない人ほど挫折します。「絶対やる」ではなく「できるだけやる」——これが10年やってきた本音の結論です。
ぬか漬けを毎日続けられる方は素晴らしいです。続かない方は、納豆や味噌汁など、続けやすい発酵食品を中心にすれば十分です。私が毎日続けている発酵食品も、この納豆と味噌汁です。
薬剤師の本音|発酵食品より、水溶性食物繊維のほうが大事
もう一つ、この記事で書いておきたい本音があります。

薬剤師たけすた10年腸活を続けてきて、薬局で患者さんと話してきた中で私がたどり着いた結論は——発酵食品より、水溶性食物繊維のほうが大事ということです。
理由を3つに整理します。
理由1:善玉菌は元々あなたの腸に住んでいる
発酵食品で外から菌を入れる発想は間違っていません。ただし善玉菌は本来、もともとあなたの腸に住んでいます。私は、もともといる菌が使うエサを食事でとることを、土台に置いています(これは私の考えです)。
そのエサになるのが、水溶性食物繊維(腸内細菌のエサになる成分・プレバイオティクス)です。
理由2:水溶性食物繊維は「短鎖脂肪酸の材料」になる
水溶性食物繊維は、腸内細菌に分解されると短鎖脂肪酸(腸内細菌が作る有機酸)の材料になります。短鎖脂肪酸は、腸の健康との関わりについて研究が進められている成分です。
発酵食品で菌を足すのに対して、水溶性食物繊維は、もともといる菌が短鎖脂肪酸を作る材料になります。だから私は、こちらを土台に置いています。
理由3:食事で足りない分は、サプリで補う選択肢もある
薬剤師たけすた水溶性食物繊維を食事だけで毎日たっぷり摂るのは、手間がかかります。食事で足りない分を補う方法として、イヌリンやサンファイバーなどのサプリもあります。
患者さんによく勧めるのは「もち麦ごはん」
薬剤師たけすた薬局で患者さんに強く勧めているのが、もち麦ごはんです。もち麦は穀物の中でも水溶性食物繊維が多い部類で、白米にもち麦を混ぜるだけで、意識せずに食物繊維が摂れます。
生きた菌と、菌のエサになる成分を組み合わせる考え方は「シンバイオティクス」という言葉で整理されています(厳密には、健康への役立ちが確かめられた組み合わせを指す言葉です)。発酵食品と水溶性食物繊維をいっしょにとるのは、この考え方に近い食べ方です。
出典:ISAPP(国際プロバイオティクス・プレバイオティクス科学協会)合意文書, Nature Reviews Gastroenterology & Hepatology, 2020年発酵食品5選はあくまで土台。水溶性食物繊維と組み合わせて考えるのが、私の本音です。
+α 薬剤師が使ったことのある食材(はちみつ)
発酵食品5選に加えて、私が使ったことのある食材をもう一つ紹介します。それがはちみつです。
はちみつは発酵食品ではなく、主な成分はブドウ糖や果糖などの糖類です。無糖ヨーグルトに甘みを足したい時の選択肢として紹介します。
ただし、はちみつには糖類を加えた「加糖はちみつ」などもあり、商品によって中身はさまざまです。原材料表示が「はちみつ」だけになっているかを確かめるのが第一歩です。
はちみつを選ぶ時は、品質の検査や規格の表示があるかを確かめると安心です。
重要な注意:1歳未満の乳児にははちみつを与えてはいけません。 ボツリヌス菌感染のリスクがあります。これは絶対に守ってください。

バリムハニー
原材料・原産国は商品ページの表示を確認してください
「はちみつ」と書かれていても、商品によって中身はさまざまです。原材料と品質の表示を確かめて選ぶのがおすすめです。1歳未満の乳児には与えないでください。Amazonで購入できます。
※本記事はアフィリエイトリンクを含みます。商品紹介は薬剤師としての個人的見解であり、効果・効能を保証するものではありません。 既往症・服薬中の方は必ず主治医・薬剤師にご相談ください。
よくある質問
サキさんヨーグルトを毎日食べていますが、腸が変わった気がしません。なぜですか?
薬剤師たけすた外から摂った菌の多くは腸に長くとどまらないと考えられていて、変化は自分では分かりにくいものです。ヨーグルトだけに頼らず、味噌汁の具やもち麦など食物繊維と組み合わせて、続けられる範囲で試してみてください。
ケンジさんキムチは市販品で十分ですか?本場の生キムチじゃないとダメですか?
薬剤師たけすた市販品で十分です。原材料表示を見て、発酵させたタイプを選ぶと安心です。続けられることが最優先です。
サキさん5つ全部毎日食べないといけませんか?無理そうです。
薬剤師たけすた全部毎日は不要です。私もぬか漬けは続けられていません。続かないものは無理せず、まず納豆と味噌汁の2つから始めてみてください(ワルファリンを飲んでいる方は納豆を除いてください)。
ケンジさん発酵食品より水溶性食物繊維の方が大事って本当ですか?
薬剤師たけすた私の本音はそうです。善玉菌はもともと腸にいるので、そのエサになる水溶性食物繊維を食事でしっかり摂ることを大事にしています。
サキさん日本人だから納豆が合うって本当ですか?
薬剤師たけすた科学的に確定した話ではありませんが、日本人の腸には日本由来の発酵食品が合いやすいと現場で感じます。代々食べてきた食品との相性は、私が納豆と味噌を先に挙げる理由のひとつです。
ケンジさんぬか漬けの酪酸菌に期待してはダメですか?
薬剤師たけすたぬか漬けにも良さはたくさんあります。ただ、発酵の主役は乳酸菌です。野菜と一緒に乳酸菌を摂れる食べ物として、続けられる範囲で楽しんでください。
まとめ
- 発酵食品は毎日少量を続けることが腸活の基本
- 5選(納豆・味噌・ヨーグルト・キムチ・ぬか漬け)はスーパーで揃う手軽な土台
- 私もぬか漬けは毎日は続けられていない。続かないものは無理せず、続けやすい発酵食品を中心にする
- ぬか漬けの発酵の主役は乳酸菌。野菜と一緒に乳酸菌を摂れる食べ物として、続けられる範囲で楽しむ
- 日本人の腸には日本由来の発酵食品(納豆・味噌)が相性が良いと、現場で感じている(科学的に確定した話ではない)
- 本音を言うと、発酵食品より水溶性食物繊維のほうが大事。善玉菌はもともと腸にいるので、そのエサを食事でしっかり摂る
- 発酵食品+水溶性食物繊維をいっしょにとる(シンバイオティクスに近い考え方)のが、10年でたどり着いた私の考え方
- はちみつは原材料と品質の表示を確かめて選ぶ(1歳未満の乳児には絶対に与えない)
完璧を目指さず、毎日の小さな積み重ねを優先する——これが10年続けて分かった、いちばん大事なことです。



